日本海洋学会・沿岸海洋研究会とは
日本海洋学会・沿岸海洋研究部会(2010年4月に沿岸海洋研究会に名称変更)は「日本の沿岸海域における資源開発および災害防止のために、沿岸海洋関連研究各部門の有機的な研究連絡を行うこと」を目的として、1962(昭和37)年8月に発足した。
初代の沿岸海洋研究部会長は故速水頌一郎東海大学教授(京都大学名誉教授)であった。
本研究会の主な活動は日本海洋学会研究発表大会開催時に「沿岸海洋シンポジウム」を開催しするとともに、沿岸海洋に関する幅広い研究論文・総説を中心にして「沿岸海洋研究(旧・沿岸海洋研究ノート)」を発刊することである。
本研究会への入会は日本海洋学会会員に限られていない。沿岸海洋で研究活動を行う、理学・工学・農学者などすべての研究者に研究会の門戸は開かれている。
研究会の活動を活発・円滑に行うために、沿岸海洋研究会には会長・副会長・総務部長・出版部長・事業部長・2名の監査による執行部体制がとられている。
さらに地域性や研究分野を考慮して約40名の委員が決められ、執行部と委員は年2回開催される「沿岸海洋研究会委員会」の中で、沿岸海洋研究会のあり方を議論している。執行部と委員の任期は2年である。
この委員会の議論を踏まえて、本研究会では沿岸海洋シンポジウムの他、2000年から2年に1度、「沿岸海洋研究」に掲載された優秀な論文の第1著者に対して「速水論文賞」を授与している。
また不定期ではあるが、本研究会の研究成果を広く世の中に還元するために、事業部を中心として、「沿岸海洋研修講習会」を開催してきた。
沿岸海域の環境修復・創造が声高に言われるようになってきた現在、設立以来59年を経て、沿岸海域における物理・化学・生物・理学・工学・水産学の学際的研究を主導してきた本部会の重要性はますます高まってきている。
多くの若手研究者の新たな参加を得て、世の中に確かな貢献ができる学問成果を生むことを目標に、本部会の活動を今後さらに活発にしていきたいと考えている。